
みなさん、こんにちは!
カルブロ!へようこそ!
管理人のミヤヒロです
- 『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』のあらすじが知りたい
- 『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』のネタバレ感想が気になる
今回は2021年日本公開の難病ヒューマン洋画
『サウンド・オブ・メタル
/聞こえるということ』をご紹介します!
第93回アカデミー賞で編集賞と音響賞を受賞し、他4部門でもノミネートされ話題の本作。
突然難聴になったドラマーが、聴覚障がい者の支援コミュニティを通して難聴と向き合っていく過程や、人工内耳について描かれる作品です。
それではさっそく、『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』のあらすじ・ネタバレ感想を始めていきます!
ぜひ最後まで読んでいってください!
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『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』あらすじ!
ルーベン・ストーンはドラマーとして、彼女のルーとメタルバンドを組み、ツアーを回っていた。
しかし、ある日突然、耳鳴りと共に、ルーベンの聴力は急激に低下。
医者の診断を受けると彼の聴力は20%ほどしか機能しておらず、人工内耳を埋め込む手術には4-8万ドルかかると知る。
医者からは大音量で耳に負担をかけないように忠告されるも、ルーベンはバンド活動を続ける。
しかし、音をうまく合わせることができずライブを中断したルーベンは、難聴のことをルーに明かす。
そして、2人は聴覚障がい者の支援コミュニティに訪れ、そこで聴導犬を連れ、相手の口を見て会話ができる聴覚障害者のジョーと出会う。
『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』映画情報・監督・キャスト!
原題:Sound of Metal
公開日:2021年10月1日(日本)
上映時間:120分
監督:ダリウス・マーダー
- リズ・アーメッド:ルーベン・ストーン(メタルバンドのドラマー。突然難聴を患う)
- オリヴィア・クック:ルー(ルーベンの彼女。メタルバンドのギターボーカル)
- ポール・レイシー:ジョー(支援コミュニティの管理人)
- ローレン・リドロフ:ダイアン(ろう学校の教師)
- マチュー・アマルリック:リチャード・バーガー(ルーの父親)
『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』ネタバレ感想!
カルブロ!的おすすめ度 83点
- タイトルに繋がる?人工内耳の問題をバンドマンを通して描く!
- アカデミー音響賞受賞!没入感を高める新しい“難聴”の音演出!
- “音を聞く”豊かさと“音を聞かない”豊かさ?
- 助演ポール・レイシーの演技に深みがある理由は彼の人生にある?
サウンド・オブ・メタルが意味する新しい難聴の問題

本作は、突然聴力を失ったバンドマンを描く、難病を扱ったヒューマンドラマ。
3幕構成になっており
- 第1幕:ルーベンが難聴を発症
- 第2幕:聴覚障がい者の支援コミュニティに参加
- 第3幕:人工内耳手術を受けたルーベン
と物語は展開します。
鑑賞前は

難聴を患った主人公が、他の聴覚障がい者と関わっていくことで前向きになっていく物語かな?
と軽く考えていましたが、メインとなるテーマは“人工内耳”についてで、それこそがタイトルと密接に関係しています。
人工内耳とは補聴器でも効果が期待できない人々に向けて作られた機械で、体内に埋める受信部と体外に装着する送信部セットで身につけることで、音を感じられるようになります。
ルーベンは中盤から前向きにプログラムに取り組み、手話を身につけ、ろう学校の生徒や支援コミュニティの人々とも明るく交流。
そして、支援コミュニティを管理するジョーからも「この支援コミュニティを手伝ってくれないか」と提案されます。
しかし、この会話をきっかけにルーベンは“自分の将来”を考えるように。
1人で音楽活動を頑張るルーの動画を見たルーベンは、人工内耳を埋める手術を受けると決意し、身の回りのものを売って手術を受けます。
見事手術は成功しますが、彼が久しぶりに聞いた音は“安いイヤホンを通したかのようにシャカシャカ“とした、まるでそれは
金属音
タイトルの『サウンド・オブ・メタル』はルーベンの音楽のことではなく、人工内耳によって聞こえる音のことを指していました。
人工内耳は人と会話をしたり、車や自転車による事故の回避を行うなど、聴覚障がい者が安全で不便のない生活を送るにはとても優れた道具です。
しかし、音楽に生きるルーベンにとっては満足できるものではなく、
健聴だった頃と同じように音楽活動を行うことは難しい
という事実はルーベンを強く落胆させます。
パーティのように人が大勢集まると人工内耳はノイズで機能しづらくなり、歌声も以前のように美しい音色としては聞き取れません。
この事実は大勢の観客と大音量がともなうバンド・ライブ活動や、繊細な作曲作業を行うことが非常に困難であることを意味しています。
時代と共に医療は進歩し、多くの聴覚障害者が人工内耳を使うことで再び音を取り戻すことができるようになりました。
しかし、一方で、音楽を楽しむ、またルーベンのように夢を追うにはまだ物足りない道具であることが現状。
もちろん、音楽に限らず、パーティやスポーツ観戦のように多くの人が集まるような場所もそうでしょう。
また、高額な費用がかかる人工内耳手術はアメリカでは保険適用外であり、ルーベンはその手術を受けるために身の回りのものを全て売ったため、最終的には住む場所も失ってしまいます。
もちろん本作は人工内耳を批判しているわけではありません。
あくまでも人工内耳に救われている人々が多いことは認めた上で、
聴覚障がい者たちが健聴者と同じように、機能としての音だけでなく、娯楽としての音も再び取り戻す
ことができ
聞くという“普通”を誰もが簡単に取り戻せる社会
を強く願うメッセージが込められています。
“音を聞く”豊かさと“音を聞かない”豊かさ

“聞こえるということ”という日本版の副題のダサさは気になりますが、これは物語を理解する上で重要なポイントです。
聞こえるということは、どういうこと?
本作にてメインで描かれる物語は、本物の耳と人工内耳の音の聞こえ方の違いです。
そう考えると、
“聞こえるということ”には機能的な聞こえると、生活を豊かにするための娯楽的な聞こえるの2種類がある
という考えがすんなり入ってきやすくなる副題。
しかし、本作では“機能的な音”と“娯楽的な音”に加え、もう1つ重要な音があります。それは
静寂という音
です。
映画やドラマでは聴覚障がい者の聞こえ方を再現するために、実際に無音にしたり、声をくぐもらせたりする演出がなされることがあります。
最近紹介した『クワイエット・プレイス』シリーズでもそのような手法が取り入れられています。
そして、本作ではさらに
- 聴覚を失ったばかりのルーベンが感じる骨を伝わって聞こえる自分の声
- 人工内耳を通して聞こえる機械的な音
など新しい難聴の表現がいくつか見られます。
特に人工内耳の音は間違いなく初体験。
車が通り過ぎる音や踏切、鐘の音などが人工内耳を通したことで不快音として耳に突き刺さってきます。
そして、ラストでルーベンはそんな不快音から解放されるために人工内耳の送信機を外し、観客と一緒に静寂に身を包みます。
すると、さっきまではストレスの対象でしかなかった鐘やスケボで遊ぶ子供たちが、まるで写真家が撮った写真かと思うくらい素晴らしい光景に変わります。
音の印象だけでここまで見え方がガラリと変わるのかとかなり驚き。
本作では人工内耳とともに、“静寂”もテーマにあります。
音というものは常に開きっぱなしの耳が絶えず受け入れ、気付かないうちにたくさんの情報が脳に送り込まれます。
それが場合によっては疲れやストレスになることもあるでしょう。
本作序盤ではコーヒーの滴る音、車のドライブ音、ルーベンとルーが踊るときに流す音楽と“音を聞く”ことで得られる豊かさが多く表現されています。
しかし、静寂の表現を盛り込むことで“音を聞かない豊かさ”もあるということを『サウンド・オブ・メタル』は思い出させてくれました。
たまには全ての音を遮断して、“静寂”に身を置くことが大切だということが、感情的であったルーベンが送信機を外すことで落ち着いた表情を取り戻すことからも伝わります。
物語中盤、ジョーによって静寂の大切さが語られますが、それは聴覚障がい者だけに向けたものではなく、健聴者である私たちにも向けられているのかもしれません。
とりあえず、ドーナツとコーヒー買ってきます!
ポール・レイシーにリアルな深みを感じた理由は彼の人生を知れば分かる

難聴と若きバンドマンを組み合わせて描いたことで、本作はとてもセンチメンタルな作品に仕上がっています。
聴力を失い“普通”の生活だけでなく音楽という夢までも失い、激しく感情的になるルーベンを『ナイトクローラー』や『ヴェノム』にも出演したリズ・アーメッドが演じています。
リズは『ナイトクローラー』を鑑賞した時にも感じましたが、30代後半にもかかわらず、青年のような感情表現が非常に豊かな俳優ですね。
- 支援コミュニティに入る前、ルーに涙を流しながら「待っていてほしい」と話すシーン
- 自分自身が、安定した生活を送っているルーの負担になっていると気付き、別れを切り出すシーン
はリズの演技力のおかげで、平凡な恋愛パートにならず涙腺に刺さります。
そして、第93回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたポール・レイシーの存在も本作には大きいです。
本作を鑑賞するまで存じ上げなかった方でしたが、調べてみると
- 聴覚障がい者の両親のもとに生まれる
- 20年以上、手話通訳の仕事を務めていた
とまさに、本作うってつけの背景を持ってらっしゃいました。
そんなポールが演じるジョーは
難聴を治すことでではなく、難聴と向き合う心をつくる
ことで聴覚障がい者たちを支えています。
そんなジョーを実際に難聴と長く関わって生きてきて、治療の良し悪しや難聴との向き合い方を熟知しているであろうポールが演じているからこその、リアルな深みは間違いなくあります。
そんな彼がルーベンを支援コミュニティから追い出すシーンは本作の中でも1、2位を争う名場面。
手術を受けたルーベンにジョーが話す「戻ってきたのか」というセリフは、
「手術を受け聴力を取り戻したのに戻ってきたのか」
という意味で、彼は置き手紙だけでルーベンが手術を受けに行ったことを察していたのでしょう。
話を聞く前から浮かない顔をしていたのは、ルーベンが戻ってこなければ追い出す必要もなかったからだと思います。
家(トレーラー)もなく、人工内耳にも慣れていない状態のルーベンを追い出さなくてはいけないジョーの気持ちを考えると、彼の涙も相まってかなり胸にささりますね。
ルーベンが人工内耳の聞こえ方に落ち込む展開を見てから思い返すと、その浮かない顔は人工内耳の聞こえ方も知っていて、ルーベンが音楽に生きている人間だからこそ、治療以外の道を積極的に進めていたのに・・・という表情にも見えてきます。
役者ってすごいなぁ・・・。
『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』まとめ

今回は難病ヒューマン映画『サウンド・オブ・メタル/聞こえるということ』のネタバレあり感想でした!
“人工内耳”の性能向上と高額な手術費用に対する強いメッセージが込められた本作。
タイトルにも繋がる終盤の“人工内耳の聞こえ方”の展開は、人工内耳越しの世界の音を表現することで、ルーベンの感じる不快感にかなり共感できました。
アカデミー賞音響賞受賞も納得です。
また、そのテーマを支えるリズのセンチな演技やポールの実際の生い立ちに裏付けされるリアルな演技も見どころの1つです。
また健聴者である人々に対しても“静寂”による“音を聞かない”豊かさを訴えかけており、色々と考えさせられる作品でした。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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では、また!
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